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家物語

第五話 県産材と職人の技が生む 信州のエコ住宅

第三回 遮熱・断熱の工夫

自社工場でキザミ作業を終えて運び込んだ柱、梁を組み立て、K様邸の形が見えて来ました。角に設けた玄関ポーチの上には丸窓を設け、オシャレなチャペル風の外観に仕上がる予定です。

 

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床下から二階天井を貫き棟木を支える大黒柱とは別にもう一本、一階天井裏までの高さの大黒柱を設置し「夫婦大黒柱」構造としました。二本の大黒柱は「五寸・尺一」(断面の太さが横15cm×33cm)の極太梁で連結され、二階の床を構成する木組みの要になります。この大梁は完成後も一階リビング、ダイニング、キッチンの天井に露出し、力強いアクセントとなります。

天井にはアルミ蒸着した多層ボックス構造の遮熱材を施工。軽量なので屋根や天井に負担をかけません。日本家屋は高温多湿の気候に合わせて発達しました、開口部の多い壁は屋根に瓦という重しをのせる事で安定しました。しかし、こうした重心の高さが地震の揺れには仇になります。耐震性能を高めるには屋根を軽くし、壁を丈夫に作る事が有効です。

壁面に施工した120mm厚の「F&Pパネル」の外側に、さらに20mm厚の外張用断熱材を施工。内外から断熱します。外壁の下地には「信州木材認定製品」を使用。県産間伐材から作られるこの合板は、接着成分の残留も少なく、しっかりとした剛性を持ち、耐震化工事にも使われています。

すっぽりと家全体を覆う白い不織布はデュポン社のタイベック。高い透湿防水性能を持つポリエチレン製のハウスラップ材。壁内への雨水などの侵入を阻みつつ、蒸れを解消することで、木のコンディションを整え、家を長持ちさせてくれます。

採光と断熱の両立にはいつも悩まされます。しかし近年開発された「Low-E ガラス」は薄い金属皮膜をコーティングして熱や紫外線を効率よく反射します。この「Low-E ガラス」を使ったトリプルガラスのサッシを「冷暖房費ゼロ住宅を目指して」で使用した所、高い断熱性能を示し、冬にもほとんど結露を起こしませんでした。

まだまだ高額なのが難点ですが、普及に伴い価格もこなれ、信州の住宅には必須の建材になることでしょう。

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