第二回 エコと強さの両立を
前回屋根の下地に張った防水遮熱シートの上に下地板を張り、さらにアスファルトシートを張り重ねます。アスファルトシートは高い防水・防振・耐熱性を備えています。
アスファルトシートの上に葺いたカラートタンの屋根は「棟換気システム」を備えています。屋根裏にこもった熱気自体の上昇気流や、屋根の上を吹く風が生むベンチュリー効果によって、屋根裏にこもる熱気や湿気が自然に排出され、屋内を快適に保ちます。
実はこの「棟換気」は、伝統的な日本建築の瓦屋根がもともと持っていた機能が見直され、現代の住宅建築用にアレンジされた工法です。
県産材を豊富に使った骨格は、伝統建築で培った木組みの技を施した上に、最新技術で作られた補強金物を併用して耐震性能を格段に向上させています。今回のテーマは「冷暖房費ゼロ」ですが、家としての基本性能である「強さ」をないがしろには出来ません。
基礎と柱を強固に固定するホールダウンアンカーは横揺れ地震での「基礎ズレ」を防止します。
これで家としての骨格は整いました。次回から本格的に冷暖房費ゼロを目指し、壁や床、天井裏に高度な断熱技術を施策します。