第一話「大黒柱のある家」
第四回 地震に耐える木組みの技
香しい木曽檜の柱や梁が組み建てられ、家の形が見えてきました。ここで登場するのが「F&Pパネル」です。
服田建設では、伝統建築の優れた技を継承する一方、現代の新しい建築技術の研鑽にも力を注いでいます。
北海道の厳しい自然の中で育まれた「F&Pパネル」は、ガッチリとした木枠に、硬質ウレタンフォームをプレスした他に類を見ない高性能な断熱構造材です。
これまで壁内の断熱材として一般的であった「グラスウール」は綿状の素材であるがため、地震などの振動や湿気を吸った自重で崩れたりし、年月を経る間には断熱性能が大きく損なわれます。
そればかりか吸湿性・保湿性の高いグラスウールは、一度湿気を吸ってしまうと、ダニやカビの温床となり、時には土台や木材を腐らせる原因ともなってしまいます。
「F&Pパネル」に使われる硬質ウレタンフォームは経年劣化もほとんどありません。
また頑丈な木枠と硬質ウレタンで構成された「F&Pパネル」は、それ自体が構造材として十分な強度を備えています。
元来住宅建築では、地震等の横方向の力による変形を防ぐため、柱の間に斜めに「筋交い」を入れます。
しかし筋交いの周囲は断熱しにくいのも事実。地震に備えて筋交いを多用すると、断熱性が犠牲になるという矛盾に、我々建築従事者は長らく悩まされていました。
「F&Pパネル」では木枠自体に「筋交い」が組み込まれているものもあります。柱の間に「F&Pパネル」を設置することで自動車や航空機のモノコックボディのように、面として高い剛性を保つ家が出来上がります。
高気密、高断熱の能力を備えた「F&Pの家」では、温度差の激しい夏冬を問わず、室内を快適な環境に保ち、冷暖房費の節約にも貢献します。
またメーカーでは、「F&Pパネル」のウレタンフォームの製造過程においてフロンガスを一切使用せず、溶剤の使用も極力抑えた技術を開発。シックハウスや環境汚染の問題にも真剣に取り組んでいます。